日本性感染症学会 第36回学術大会

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会長挨拶

日本性感染症学会 第36回学術大会の開催にあたって

東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野
東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科
四柳 宏

 日本性感染症学会第36回学術大会を2023年12月2日(土曜日)、3日(日曜日)に、学術総合センターで開催させて頂くことになりました。私自身は性感染症を含めた感染症の患者さんを診ている内科医です。特にHIV感染症の患者さんを診る機会が多く、そうしたバックグラウンドを生かした学術集会にできればと思っています。

 今回のテーマは「性感染症から人々を守るために―サイエンスとヒューマニティー―」としました。診断・治療の進歩により性感染症の多くは治療が可能になりましたが、淋病のように耐性菌の感染により治療に難渋する場合もあります。HIV感染症にかかってしまうと抗ウイルス薬を一生飲まなければいけません。そうしたことを知らずに多くの人が性感染症に苦しんでいます。そうした状況から人々を守るために皆で考えたいという気持ちをテーマに込めました。

 新型コロナ感染症の流行下、インフルエンザなどの呼吸器感染症の発生は激減しましたし、他の多くの感染症の発生は激減しました。しかしながら過去最高の感染者を数えた梅毒をはじめ、性感染症は減少していません。その原因はいくつか考えられますが、社会的な理由に加え、一般の方の性感染症に関する知識が不十分であることが考えられます。そうしたことをわかりやすく発信することも学会・学術集会の大切な役割だと考えています。

 今回の学術集会では東京医療保健大学の渡會睦子教授にプログラム委員長をお願いしました。渡會先生は小学生、性産業に従事する人など、ともすれば目の届きにくい人に対する教育・啓発を通して性感染症対策に取り組まれてきた方です。各領域の専門家に加わって頂きプログラムを組みました。

 学術集会を行う“学術総合センター”は一橋大学が中心に運営している組織で、通りを隔てて学士会館のある場所です。閑静で気持ちのよい場所ですが、東京ドームが徒歩圏にあり、交通の便のよい場所です。皆様とご一緒に楽しく学び、議論ができればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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